音楽理論 第3章

テンション(9th、11th、13th)が使えるコード、使えないコード ~第3章~(9/15)

2017年12月18日

音楽理論~テンションコード~

今回も、前回「テンションコードの決まりごと」、前々回「テンションコード」に引き続き、テンションコードについて解説していきます。

今回は、どのテンションが、どのコードで使用することができるのか、解説していきたいと思います!

その前に、もう一度、テンションコードのおさらいです!

テンションコードのテンションは3種類ありました。

  • 9th(ナインス)
  • 11th(イレブンス)
  • 13th(サーティーンス)

クオンティティ+クオリティのインターバル(復習→インターバル(音程差)の導き方)で言うと、

  • 9th  =  MA2
  • 11th  =  P4
  • 13th  =  MA6

となります!

以上を踏まえて、これから解説していきます!

 

9thが使えるコード

9th(MA2)は、どのセブンスコードでも使用することができます

今まで4種類のセブンスコードを学びました。(復習→ダイアトニックコード(セブンスコード編))

  • ○MA7
  • ○mi7
  • ○7
  • ○mi7(♭5)

これら全てに9thは使用できます。9thは、これらどのコードに付いても、不協和音になりませんので、音が干渉したりすることはありません。

 

では、それぞれのセブンスコード9thを付けてみましょう。ルートはCです。

それぞれのセブンスコード9thをつけたときの構成音とコードネームはこのようになります。

  • ○MA9 ・・・・・・・(P1 MA3 P5 MA7 MA2)
  • ○mi9 ・・・・・・・(P1 mi3 P5 mi7 MA2)
  • ○9 ・・・・・・・・(P1 MA3 P5 mi7 MA2)
  • ○mi9(♭5) ・・・・(P1 mi3 Dim5 mi7 MA2)

 

11thが使えるコード

11th(P4)を使う時は、気をつけなければいけないことがあります。

 

○MA7(メジャーセブンス)、○7(ドミナントセブンス)では、11thは使えない。

メジャー系のコード(○MA7、○7)では、11th(P4)と、メジャー系のコードに含まれるMA3の音が半音間隔でぶつかってしまい、不協和音になってしまいます。セブンスコードのコードトーン(1度、3度、5度、7度)半音上の音は、不協和音になってしまうと前回解説しましたね!

ですので、メジャー系のコード(MA3を含むコード)では11thを使用することができません

 

しかし、メジャー系のコードに11thを入れる方法があります。11thに♯をつける(半音上げる)のです。

このように、11thを半音上げて♯11thにすることで、不協和音ではなくなります。つまり、メジャー系のコードは、♯11thであれば使用可能です!

ちなみに、これは厳密に言うとテンションではなく、オルタードテンション(♯や♭が付いたテンション)と言います。

 

メジャー系のコードに♯11thをつけたときの構成音とコードネームはこのようになります。

  • ○MA9(♯11) ・・・・・・・(P1 MA3 P5 MA7 MA2 Aug4)
  • ○9(♯11) ・・・・・・・・・(P1 MA3 P5 mi7 MA2 Aug4)

 

○mi7(マイナーセブンス)、○mi7(♭5)(マイナーセブンフラットファイブ)は11thが使用可能

マイナー系のコード(○mi7、○mi7(♭5))では、マイナー系のコードに含まれるmi311th(P4)が全音間隔なので、不協和音ではありません。ですので、問題なく11thが使用できます。

マイナー系のコードに11thをつけたときの構成音とコードネームはこのようになります。

  • ○mi11 ・・・・・・・(P1 mi3 P5 mi7 MA2 P4)
  • ○mi11(♭5) ・・・・(P1 mi3 Dim5 mi7 MA2 P4)

 

sus4(サスペンデッドフォース)

11thのバリエーションとして、sus4(サスペンデッドフォース)があります。これは、メジャートライアド○7(ドミナントセブンス)に含まれるMA3の代わりにP4が入るコードです。つまりsus4は、3rdを含まないコードです!

ちなみに、同じメジャー系のコード、○MA7(メジャーセブンス)では、P4MA7の相性が悪いのであまり使われません。

sus4のコードは、コードネームの後ろに「sus4」が付きます。4が省略され、「sus」だけで表記される場合もあります。

 

11thまとめ

  • ○MA7(メジャーセブンス)、○7(ドミナントセブンス)は、11th(P4)を♯11th(Aug4)にする
  • ○mi7(マイナーセブンス)、○mi7(♭5)(マイナーセブンフラットファイブ)はそのまま11thが使える
  • メジャートライアド、○7(ドミナントセブンス)は、MA3を外して、sus4にできる。

11thをまとめるとこんな感じですね!

 

13thが使えるコード

13th(MA6)は基本的にどのセブンスコードでも使用可能です。しかし、○mi7(♭5)ではほとんど使用されませんが、理論上は使用可能です。

 

以下のような表記の13thを含むコードは、9th、11thも含む意味も持ちますが(復習→テンションコードの決まりごと)、先程解説した11thを使用できないコード(○MA7、○7)では、11thを含みません

 

テンションコードを作る時は11thに気をつけよう!

9thや、13thは、基本的にどのセブンスコードにも使用可能ですが、11thだけは使えないコードがあるので気をつけましょう!以上のことが頭に入っていれば、テンションコードを作るのはもう簡単ですね!

 

今回でテンションコードは終わりです!お疲れ様でした(*^^*)!!次回からは他種類のコードについてやっていきます!次回もよろしくお願いします!!

次回↓

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