今回も、前回「テンションコードの決まりごと」、前々回「テンションコード」に引き続き、テンションコードについて解説していきます。
今回は、どのテンションが、どのコードで使用することができるのか、解説していきたいと思います!
その前に、もう一度、テンションコードのおさらいです!
テンションコードのテンションは3種類ありました。
- 9th(ナインス)
- 11th(イレブンス)
- 13th(サーティーンス)
クオンティティ+クオリティのインターバル(復習→インターバル(音程差)の導き方)で言うと、
- 9th = MA2
- 11th = P4
- 13th = MA6
となります!
以上を踏まえて、これから解説していきます!
9thが使えるコード
9th(MA2)は、どのセブンスコードでも使用することができます!
今まで4種類のセブンスコードを学びました。(復習→ダイアトニックコード(セブンスコード編))
- ○MA7
- ○mi7
- ○7
- ○mi7(♭5)
これら全てに9thは使用できます。9thは、これらどのコードに付いても、不協和音になりませんので、音が干渉したりすることはありません。
では、それぞれのセブンスコードに9thを付けてみましょう。ルートはCです。
それぞれのセブンスコードに9thをつけたときの構成音とコードネームはこのようになります。
- ○MA9 ・・・・・・・(P1 MA3 P5 MA7 MA2)
- ○mi9 ・・・・・・・(P1 mi3 P5 mi7 MA2)
- ○9 ・・・・・・・・(P1 MA3 P5 mi7 MA2)
- ○mi9(♭5) ・・・・(P1 mi3 Dim5 mi7 MA2)
11thが使えるコード
11th(P4)を使う時は、気をつけなければいけないことがあります。
○MA7(メジャーセブンス)、○7(ドミナントセブンス)では、11thは使えない。
メジャー系のコード(○MA7、○7)では、11th(P4)と、メジャー系のコードに含まれるMA3の音が半音間隔でぶつかってしまい、不協和音になってしまいます。セブンスコードのコードトーン(1度、3度、5度、7度)の半音上の音は、不協和音になってしまうと前回解説しましたね!
ですので、メジャー系のコード(MA3を含むコード)では11thを使用することができません。
しかし、メジャー系のコードに11thを入れる方法があります。11thに♯をつける(半音上げる)のです。
このように、11thを半音上げて♯11thにすることで、不協和音ではなくなります。つまり、メジャー系のコードは、♯11thであれば使用可能です!
ちなみに、これは厳密に言うとテンションではなく、オルタードテンション(♯や♭が付いたテンション)と言います。
メジャー系のコードに♯11thをつけたときの構成音とコードネームはこのようになります。
- ○MA9(♯11) ・・・・・・・(P1 MA3 P5 MA7 MA2 Aug4)
- ○9(♯11) ・・・・・・・・・(P1 MA3 P5 mi7 MA2 Aug4)
○mi7(マイナーセブンス)、○mi7(♭5)(マイナーセブンフラットファイブ)は11thが使用可能
マイナー系のコード(○mi7、○mi7(♭5))では、マイナー系のコードに含まれるmi3と11th(P4)が全音間隔なので、不協和音ではありません。ですので、問題なく11thが使用できます。
マイナー系のコードに11thをつけたときの構成音とコードネームはこのようになります。
- ○mi11 ・・・・・・・(P1 mi3 P5 mi7 MA2 P4)
- ○mi11(♭5) ・・・・(P1 mi3 Dim5 mi7 MA2 P4)
sus4(サスペンデッドフォース)
11thのバリエーションとして、sus4(サスペンデッドフォース)があります。これは、メジャートライアド、○7(ドミナントセブンス)に含まれるMA3の代わりにP4が入るコードです。つまりsus4は、3rdを含まないコードです!
ちなみに、同じメジャー系のコード、○MA7(メジャーセブンス)では、P4とMA7の相性が悪いのであまり使われません。
sus4のコードは、コードネームの後ろに「sus4」が付きます。4が省略され、「sus」だけで表記される場合もあります。
11thまとめ
- ○MA7(メジャーセブンス)、○7(ドミナントセブンス)は、11th(P4)を♯11th(Aug4)にする
- ○mi7(マイナーセブンス)、○mi7(♭5)(マイナーセブンフラットファイブ)はそのまま11thが使える
- メジャートライアド、○7(ドミナントセブンス)は、MA3を外して、sus4にできる。
11thをまとめるとこんな感じですね!
13thが使えるコード
13th(MA6)は基本的にどのセブンスコードでも使用可能です。しかし、○mi7(♭5)ではほとんど使用されませんが、理論上は使用可能です。
以下のような表記の13thを含むコードは、9th、11thも含む意味も持ちますが(復習→テンションコードの決まりごと)、先程解説した11thを使用できないコード(○MA7、○7)では、11thを含みません。
テンションコードを作る時は11thに気をつけよう!
9thや、13thは、基本的にどのセブンスコードにも使用可能ですが、11thだけは使えないコードがあるので気をつけましょう!以上のことが頭に入っていれば、テンションコードを作るのはもう簡単ですね!
今回でテンションコードは終わりです!お疲れ様でした(*^^*)!!次回からは他種類のコードについてやっていきます!次回もよろしくお願いします!!
次回↓