ここまで、「モーダルインターチェンジ」、「セカンダリードミナント」、「代理コード」を解説してきました。これらを使用することで、コード進行のバリエーションを増やすことができました。
コード進行のバリエーションを増やす別の方法として、曲のキーを変えるという方法があります!
転調とは?
曲の途中でキーを変えることを転調と言います。
転調には、2つの種類の転調が存在します。
ダイレクトモジュレーション
ダイレクトモジュレーションはどのような転調かと言うと、誰が聴いても分かるような転調のことです。
例えば、Mr.Childrenの「終わりなき旅」という曲。この曲は最後のサビでキーが上がって、曲がどんどん盛り上がっていきます。キーを上げることで、曲の盛り上がる感じを出す効果が得られます。これはダイレクトモジュレーションの代表的な使われ方です。
以下はダイレクトモジュレーションの例です。
Cメジャーキーのコード進行が、5小節目からC♯メジャーキーに転調しています。
これを実際に演奏してみると、5小節目で明らかにキーが変わったと感じるかと思います。このように明らかにキーが変わったと実感できる転調がダイレクトモジュレーションです!
ピボットコードモジュレーション
ダイレクトモジュレーションに対し、ピボットコードモジュレーションは聴いてる人が分からないような転調です。曲の途中でいつの間にか転調しているというのが特徴です。
ピボットコードとは?
ピボットコードモジュレーションにはピボットコードが用いられます。
ピボットコードとは何かと言うと、最初のキーと新しいキーの共通するコードのことです。
ピボットコードモジュレーションを使用したコード進行の作り方
以下は、ピボットコードモジュレーションを使用したコード進行の例です。
このようなピボットコードモジュレーションを使用したコード進行は、以下の手順で作ることができます。
- 最初のキーを確定させる。
- ピボットコードを使う。
- 新しいキーに入る。
- 新しいキーのⅠコードに解決する。
ちなみに、ピボットコードはほとんどの場合、新しいキーのサブドミナントコードが使用されます。そして、新しいキーのサブドミナントからⅤ7へ進み、Ⅰに解決するパターンが一般的です。
新しいキーはどのように決めると良い?
新しいキーは、大体の場合、最初のキーと調号が似ている(♯や♭の数が近い)キーにするのが一般的です。
例えば上記のコード進行では、CメジャーキーからGメジャーキーに転調しています。
この2つのキーの調号を比べてみましょう。
- Cメジャーの調号:♯や♭が付かない。
- Gメジャーの調号:♯1個
♯1個の差しかありません。最初のキーと♯や♭の個数が近い調号のキーほど、より自然に転調することができます。
もう1つ、例を出すならB♭メジャーキーとE♭メジャーキー。
この2つのキーの調号を比べると、
- B♭メジャーの調号:♭2個
- E♭メジャーの調号:♭3個
♭1個の差しかありませんので、自然に転調できます!
以下に、調号に♯が付くキーと♭が付くキーの、♯、♭の個数を一覧にまとめておりますので、参考にしてみて下さい!
今回で第4章は終了です!次回から最後の章、第5章に突入します!第5章もどうぞよろしくお願い致します!みなさんお疲れ様でした(*^^*)!
次回↓