スタジオミュージシャンやジャズミュージシャンなどは、コード譜を見て、即興でソロを弾いたり伴奏を弾いたりしなくてはなりません。そのコード進行のキーが何であるかを知ることで、効果的に演奏することが出来ます。コード進行を見て、キーを見つけることを、「キーセンターを見つける」という言い方をします。これからキーセンターを見つける方法を解説していきます!
メジャーキーのコード進行を見てキーセンターを見つけよう!
以下のコード進行のキーセンターを探してみましょう!
このコード進行に、ダイアトニックコードのフォーミュラを当てはめていって、キーを探していきます。
もう一度、ダイアトニックコードのフォーミュラをおさらいしておきましょう!
ⅠMA7 Ⅱmi7 Ⅲmi7 ⅣMA7 Ⅴ7 Ⅵmi7 Ⅶmi7(♭5)
以上、7つのローマ数字がメジャーキーのダイアトニックコードのフォーミュラです。復習→「ダイアトニックコード(セブンスコード編)」
Ⅴ7(ドミナントセブンス)を探そう!
ここで、キーを割り出すヒントになるのが、Ⅴ7(ドミナントセブンス)です。ダイアトニックコードにⅤ7は1個しかありません。ではこのコード進行でⅤ7に当たるコードを探してみましょう!この中でⅤ7になりうるのは、D7だけですね!では、D7にⅤ7を当てはめましょう!
あとは、D7から他のコードがどれくらい離れているか考えながら、ローマ数字を当てはめていくだけです。
ちょうどローマ数字を当てはめることが出来ました!ⅠMA7にくるのはGMA7になるので、このコード進行のキーはGメジャーです!
ドミナントモーション
ちなみに、Ⅴ7はトニックのコードであるⅠMAに向かおうとする性質があります。これをドミナントモーションと呼びます。Ⅴ7は不安定な響きのコードで、そのⅤ7の不安定な響きで緊張感を持たせ、安定したコードであるⅠMA7に進行することを「解決する」という言い方をします。
以上のことから、Ⅴ7の次のコードは、ⅠMA7になることが多いので、その辺もヒントにすると良いでしょう。
マイナーキーのコード進行を見てキーセンターを見つけよう!
続いて、マイナーキーのコード進行のキーセンターを探してみましょう。
マイナーキーのコードフォーミュラを復習しておきましょう。
Ⅰmi7 Ⅱmi7(♭5) ♭ⅢMA7 Ⅳmi7 Ⅴmi7 ♭ⅥMA7 ♭Ⅶ7
以上、7つのローマ数字がマイナーキーのダイアトニックコードのフォーミュラです。復習→「ダイアトニックコード(セブンスコード編)」
♭Ⅶ7(ドミナントセブンス)を探そう!
マイナーキーのドミナントセブンスは♭Ⅶ7ですね!これをヒントにコード進行にローマ数字を当てはめていきましょう。このコード進行で♭Ⅶ7になりうるのはB♭7ですね!では、B♭7に♭Ⅶ7を当てはめましょう。
あとは、B♭7から他のコードがどれくらい離れているか考えながら、ローマ数字を当てはめていきましょう。
それぞれのコードにローマ数字が当てはまりましたね!Ⅰmi7にくるのはCmi7になるので、このコード進行のキーはCマイナーです!
マイナーキーのⅤmi7は、Ⅴ7になる場合がある!
マイナーキーでは、Ⅴmi7をⅤ7にすることがよくあります。Ⅴ7にすることによって、Ⅰmi7に向かおうとする効果が高まるのです。これもいわゆる、ドミナントモーションです。ですので、マイナーキーの場合、ドミナントセブンスは、Ⅴ7と♭Ⅶ7両方の可能性があります!
次のコード進行を考えてみましょう。
マイナーキーのⅤ7は、Ⅰmi7に進むことが多いです。ですので、Ⅴ7→Ⅰmi7になっているところを探してみましょう!D7→Gmi7がちょうど当てはまりますね!
あとは、D7、Gmi7と他のコードを比べながら、ローマ数字を当てはめていきましょう。
うまいことローマ数字が当てはまりました!このコード進行のキーは、Gマイナーです!
トライアドのコード進行を見てキーを見つけよう!
以下のトライアドのコード進行で考えてみましょう。
|A |B |G♯mi |C♯mi |
|F♯mi |B |E |
ここで、キーを割り出すヒントになるのが、隣り合っているメジャーコードと、隣り合っているマイナーコードです!
ダイアトニックコードで言うと、ⅣMAとⅤMA、ⅡmiとⅢmiです!
このコード進行のA B、F♯mi G♯miがそれに当てはまりますね!
では、ローマ数字を当てはめていきましょう。
ⅣMA ⅤMA Ⅲmi Ⅵmi
|F♯mi |B |E |
Ⅱmi ⅤMA ⅠMA
うまいことローマ数字が当てはまりました!このコード進行のキーは、Eメジャーです!
今回で、第2章は終了になります!次回から第3章です!これからも何卒、宜しくお願い致します!ではでは、お疲れ様でした(*^^*)!
次回↓