音楽理論 第5章

裏コード ~第5章~(11/11)

2018年2月8日

音楽理論~裏コード~

 裏コードとは?

裏コードとは、別名、「フラットファイブサブスティテューション」、「トライトーンサブスティテューション」とも呼ばれるコードです。

裏コードは、Ⅴ7(ドミナントセブンス)のルートからDim5(ディミニッシュドフィフス)のインターバルだけ離れている音をルートにしたドミナントセブンスのことです。

 

裏コードはⅤ7→Ⅰ(ドミナントモーション)になっているドミナントセブンスの代わりに使用できます。これは、Ⅴ7のコード裏コード同じトライトーンを共有しているためです。

 

トライトーンとは?

Aug4(オーギュメンテッドフォース)、またはDim5(ディミニッシュドフィフス)のインターバルは、別名「トライトーン」と呼ばれます。

 

トライトーンの名前の由来

以下の図を御覧ください。

トライトーンは先程、Dim5のインターバルのことだと解説しました。このDim5は、全音3つ分のインターバルと同じです。

トライトーンの「トライ」は、「3」を意味します。トライアングルの「トライ」も「3」の意味ですね!

3つの全音=トライトーンというように考えると覚えやすいかと思います!

 

ドミナントセブンスに含まれるトライトーン

ドミナントセブンスにはトライトーンが含まれています。「C7」を例に確認してみましょう。

このように、3から♭7までのインターバルがトライトーン(Dim5)になります。

 

トライトーンがドミナントモーションを生む

このドミナントセブンスに含まれるトライトーンが、ドミナントモーションを生みます!

G7→Cのドミナントモーションで確認してみましょう。

  • G73(B)がCルート(C)へ解決。
  • G7♭7(F)がC3(E)へ解決。

ドミナントモーションでは、トライトーンはこのように解決します。

G73度の音は導音(リーディングトーン)でしたね!導音が含まれていることでのコードへ進もうとする力が強くなります!

 

このように、導音(リーディングトーン)と、トライトーンドミナントモーションを生むのです!

 

Ⅴ7とトライトーンを共有している裏コードとは?

以下の2つのドミナントセブンスコードを御覧ください。

この2つのコードがどんな関係かというと、G7Ⅴ7の時、D♭7G7裏コードになります。

最初に説明した通り、裏コードⅤ7ルートから、Dim5上の音をルートにしたドミナントセブンスのことです。

 

それぞれのドミナントセブンスのトライトーン(3rd7th)を見てみましょう。

  • G73rd : B
  • D♭77th: C♭
  • G77th : F
  • D♭73rd: F

B」と「C♭」は異名同音なので、実際は同じ音ですね!(復習→臨時記号と異名同音)

この2つのコードを比べると、3rd7thの関係が逆になってるだけで、トライトーン同じ音ですね!

 

このように、この2つのコードは共通したトライトーンが使われているので、G7の代わりにD♭7(裏コード)を使うことができるのです。

 

裏コードの使い方

裏コードには2つの使い方があります。

 

Ⅴ7→Ⅰ(ドミナントモーション)になっているドミナントセブンスの代理として裏コードを使用する。

以下のⅡ→Ⅴ→Ⅰ(ツーファイブワン)の進行を見てみましょう。キーはCメジャーです。

|Dmi7  |G7   |CMA7  |
 Ⅱmi7     Ⅴ7     ⅠMA7

 

こちらのG7(Ⅴ7)を裏コードにしてみましょう!

|Dmi7  |D♭7  |CMA7  |
 Ⅱmi7    ♭Ⅱ7     ⅠMA7

裏コードは、♭Ⅱ7で表します。

裏コードは、トニックから見た場合、トニックの半音上ルートにしたドミナントセブンスになるためです。

 

ベースの音を見ると、DD♭Cと、半音ずつ下がっていてスムーズな流れになっています。

 

セカンダリードミナントの代理として裏コードを使用する。

裏コードは、セカンダリードミナントの代わりとしても使用することができます。

 

以下のセカンダリードミナントを使用したコード進行を見てみましょう。キーはCメジャーです。

|CMA7   |A7    |Dmi7   |
 ⅠMA7       Ⅴ7/Ⅱmi7   Ⅱmi7

A7Ⅱmi7に向かおうとするセカンダリードミナントですね!

 

このA7を裏コードに替えてみましょう。

|CMA7   |E♭7   |Dmi7   |
 ⅠMA7       ♭Ⅱ7/Ⅱmi7  Ⅱmi7

セカンダリードミナントの裏コードは、「♭Ⅱ7/○○」と表記します。♭Ⅱ7/(スラッシュ)をつけ、その横に進もうとするコードを書きます。

 

このように、セカンダリードミナントにも裏コードが使用できるのです!

 

裏コードまとめ

  • Ⅴ7→Ⅰ(ドミナントモーション)になっているドミナントセブンスだけに使われる(セカンダリードミナントも同様)。
  • ベースラインを見ると、必ず半音上から解決する。
  • 裏コードをアナライズ(分析)する時は、解決先をよく見る。それがトニックコードに解決するか、セカンダリードミナントの代理かは、ドミナントセブンスの次のコードを見て判断する。

 

今回で、第5章は終了です。本当にお疲れ様でした(*^^*)!

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