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ナポリの六度とは?フリジアンスケールからの借用コードと捉えよう!

2018年6月22日

音楽理論~ナポリの6度~

ナポリの6度とは?

ナポリの6度(別名:ナポリの和音、ナポリのⅡ、ナポリの2度)とは、昔イタリアのナポリの作曲家たちがよく使用していたと言われているコードです。

では、一体どんなコードなのか見てみましょう。

 

ナポリの6度の使用例

以下は、マイナーキーのコード進行です。キーはAです。

♭ⅡMA → Ⅴ7 → Ⅰmi という進行です。

いわゆる、マイナーキーツーファイブワンという進行なんですが、「♭ⅡMA」というコードがノンダイアトニックコードであることにお気づきになったかと思います。

 

マイナーキーのダイアトニックコードの復習

マイナーキーのダイアトニックコードを復習しておきましょう。キーはAです。

のコードは、ダイアトニックコードだと「Ⅱmi7(♭5)」ですね。

普通のダイアトニックコードの進行で考えると、Ⅱmi7(♭5) → Ⅴ7 → Ⅰmi と考えるのがセオリーですが、上記の例では最初のコードが「♭ⅡMA」というコードに置き換えられているのが分かります。

 

♭ⅡMAはどのように解釈すれば良いか。

では、この「♭ⅡMA」というコードはどのように解釈すれば良いのか。

結論から言いますと、ナポリの6度はマイナーキーのコード進行で使われるモーダルインターチェンジのバリエーションです。

モーダルインターチェンジとは、同じキーをもつ別のスケールからコードを借用してくることです。復習→モーダルインターチェンジ

では、何のスケールからの借用コードなのかと言うと「フリジアンスケール」です。

 

フリジアンスケールのダイアトニックコード

フリジアンスケールのダイアトニックコードは以下のようになります。キーはAです。

フリジアンスケールのダイアトニックコードの2番目のコード、「♭ⅡMA7」ナポリの6度と解釈できます。

 

では、もう1度ナポリの6度のコード進行を見てみましょう。

ナポリの6度では7thが省略され、「♭ⅡMA」となっており、さらに3度ルートの分数コード(onコード)になっています。いわゆる、ファーストインバージョン(第1転回形)です。ナポリの6度では、「♭ⅡMA」のファーストインバージョンが使用されるのがお決まりになっています。

 

ナポリの6度を使用する際に気をつけること

もし、自分の楽曲にナポリの6度を取り入れる際は、ナポリの6度のコードが鳴っているところのメロディーをフリジアンスケールで作るとしっくりくるでしょう。

もしくは、マイナーペンタトニックスケールを使用すれば音を外すことはありません。

ナチュラルマイナースケールを使用する場合は、2度の音が不協和音になってしまうので2度以外の音を使えば問題ありません。

ナポリの6度を使用する際はメロディーで使う音に気をつけましょう!

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